<rss version="2.0" xmlns:content="http://purl.org/rss/1.0/modules/content/" xmlns:wfw="http://wellformedweb.org/CommentAPI/" xmlns:dc="http://purl.org/dc/elements/1.1/" xmlns:atom="http://www.w3.org/2005/Atom"><channel><title>不思議の森のカオリノセンス・奇譚集</title><link>https://silkyland.amebaownd.com</link><description>ファンタスチック・ミニ・ストーリー</description><atom:link href="https://silkyland.amebaownd.com/rss.xml" rel="self" type="application/rss+xml"></atom:link><atom:link href="http://pubsubhubbub.appspot.com/" rel="hub"></atom:link><item><title>Welcome</title><link>https://silkyland.amebaownd.com/posts/615599</link><description>&#xA;&#x9;&#x9;&lt;div&gt;&#xA;&#x9;&#x9;&#x9;&lt;p&gt;welcome to 不思議の森のカオリノセンス。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;今のところの Episode 27ヶと、新しく生まれる“あぶく”を含めて&lt;/p&gt;&lt;p&gt;fantastic miniStory page に順次載せていくつもり……。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;全32 Episode （2017.3.25 ）&lt;br&gt;&lt;/p&gt;&#xA;&#x9;&#x9;&lt;/div&gt;&#xA;&#x9;&#xA;&#x9;&#x9;&lt;div&gt;&#xA;&#x9;&#x9;&#x9;&lt;img src=&#34;https://cdn.amebaowndme.com/madrid-prd/madrid-web/images/sites/127641/0c7b8e08ec3cd72135f19ef436f660b2_7ffc0d97f11e9a209c97035973a45709.jpg?width=960&#34; width=&#34;100%&#34;&gt;&#xA;&#x9;&#x9;&lt;/div&gt;&#xA;&#x9;&#x9;&#xA;</description><pubDate>Thu, 10 Mar 2016 14:38:04 +0000</pubDate><guid>https://silkyland.amebaownd.com/posts/615599</guid><dc:creator>caori</dc:creator><enclosure length="0" type="image/jpeg" url="https://cdn.amebaowndme.com/madrid-prd/madrid-web/images/sites/127641/0c7b8e08ec3cd72135f19ef436f660b2_7ffc0d97f11e9a209c97035973a45709.jpg"></enclosure></item><item><title>fantastic miniStory</title><link>https://silkyland.amebaownd.com/posts/610249</link><description>&#xA;&#x9;&#x9;&lt;div&gt;&#xA;&#x9;&#x9;&#x9;&lt;p&gt;底なし沼からゆるゆる浮かび上がってポコッと弾ける、&lt;/p&gt;&lt;p&gt;ちょっと風変わりな小っちゃな気泡のような物語り。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;Please click it.“fantastic miniStory”page&lt;/p&gt;&lt;p&gt;&lt;br&gt;&lt;/p&gt;&lt;p&gt;&lt;/p&gt;&#xA;&#x9;&#x9;&lt;/div&gt;&#xA;&#x9;&#xA;&#x9;&#x9;&lt;div&gt;&#xA;&#x9;&#x9;&#x9;&lt;img src=&#34;https://cdn.amebaowndme.com/madrid-prd/madrid-web/images/sites/127641/3bb6ee62747caa373914ccb535bac910_a1d2a5691c18332cea75b2a87c5840fd.jpg?width=960&#34; width=&#34;100%&#34;&gt;&#xA;&#x9;&#x9;&lt;/div&gt;&#xA;&#x9;&#x9;&#xA;</description><pubDate>Tue, 08 Mar 2016 22:19:16 +0000</pubDate><guid>https://silkyland.amebaownd.com/posts/610249</guid><dc:creator>caori</dc:creator><enclosure length="0" type="image/jpeg" url="https://cdn.amebaowndme.com/madrid-prd/madrid-web/images/sites/127641/3bb6ee62747caa373914ccb535bac910_a1d2a5691c18332cea75b2a87c5840fd.jpg"></enclosure></item><item><title>fantastic miniStory A</title><link>https://silkyland.amebaownd.com/pages/362786/page_201603090631</link><description>&#xA;&#x9;&#x9;&lt;div&gt;&#xA;&#x9;&#x9;&#x9;&lt;img src=&#34;https://static.amebaowndme.com/madrid-frontend/images/app/user/common/preset_covers/cover-6_cdg_4.jpg?width=960&#34; width=&#34;100%&#34;&gt;&#xA;&#x9;&#x9;&lt;/div&gt;&#xA;&#x9;&#x9;&#xA;&#xA;&#x9;&#x9;&lt;div&gt;&#xA;&#x9;&#x9;&#x9;&lt;p&gt;fantastic miniStory by Caori&lt;/p&gt;&#xA;&#x9;&#x9;&lt;/div&gt;&#xA;&#x9;&#xA;&#x9;&#x9;&lt;div&gt;&#xA;&#x9;&#x9;&#x9;&lt;p&gt;★ Episode 27　小さき手&lt;/p&gt;&lt;p&gt;いつもならボクの出番なんかじゃなかった。「まにあわないから、迎えに行って！」そんな連絡がはいって、ボクが娘の迎えに向かうことになった。表は既に本降りの雪、これでは電車も遅延するだろうと思わせる積もりようだった。ボクは小さき者のママのお迎えを待つ心の声を知らなかった、頑なに屋内に戻ることを拒み、待つことに全てを預ける小さき心を知らなかった。その児童館を間近にボクは勝手に判断していたんだ。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;降り積もる雪に溶け込むほどの雪だるまが見えた。身じろぎもせず雪の中にポツンと立つ小さな雪だるまだ。それは、もしママのお迎えだったら涙も零すだろうに、必死で堪えている小さな人影である娘だった。ひたすらの愛の享受者にとって、待つことで愛の証しを立てていたのだろうか。待たされ人の思いがキリとボクの胸に突き刺さり、痛みが悔恨と羞恥を携えてやってきた。焦りもせず雪道で転ばぬようになどとゆったりと歩いていたボク、「これじゃぁ抱きつく資格も、抱きつかれる資格もないよね」そんな思いが心に湧いた。素気なく「行くよ」と手をさしだした。「おそいッ、ママは……」ポツリ小さく呟いたのが聞こえた。氷のように冷たくなった娘の手があった。ママじゃないボクの手は、娘にとっては“しかたがない手”であることが娘の手のひらから十分に伝わってきた。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;家に戻るや洗面器にお湯を溜め、娘に手だけでもまず暖めるようすすめた。「だいじょうぶ、いいよッ」ふてくされる娘を無理矢理抱きかかえ湯につけようとすると、ボクの手を振り払うはずみで滴がボクの頬を打った。ニコリともしない膨れっ面の娘だったけれど、ボクができるのはそれぐらいなんだ。「そんな冷たい手にさせてしまってごめん、おねがい暖めてよ」それがボクの心情だったんだ。口にだしてなんて言えないけれど、「それでも娘よ、ボクはキミと二人だけで手を握りあって歩けたことがとても嬉しかった」。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;母親がバタバタと息を切らせて家に戻った時、その約束日の別れの刻がやってきた。ボクは黙って立ち上がりドアに向かった。背後で「ママぁ～ママぁ～」と母親に絡みつき匂いを嗅ぎ舐めまわっている子犬のように顔を擦りつけている娘がいた。やがてボクの背後はボクが閉めるドアの金属音に変わった。表は降りやまない雪空だった。顔をあげると、降り注ぐ粉に巻き取られて舞い上がる錯覚にとらわれた。ボクはあの漆黒の天幕に向かって、足跡さえも降り注ぐ雪にかき消されながら進まなくちゃいけないんだ。白い冷たい粉がボクの体内にまで入りこんでくるのを感じた。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;娘の小さき手の感触をのこした、ポケットに突っ込んだ手を引き抜き擦り合わせて、「はぁ～っ」と息を吐きかけた。すると手のひらから緑色の芽が顔を出した。もう一度「はぁ～っ」とすると緑の葉が四方に伸びた。さらに「はぁ～っ」とすると蕾が姿を覗かせたので、さらに「はぁ～ッ」とすると、光沢のある花びらが開いた。少しだけ温くなった両手で、ボクは顔を覆った。&lt;/p&gt;&#xA;&#x9;&#x9;&lt;/div&gt;&#xA;&#x9;&#xA;&#x9;&#x9;&lt;div&gt;&#xA;&#x9;&#x9;&#x9;&lt;p&gt;★ Episode 26　ボクの短剣&lt;/p&gt;&lt;p&gt;夜道を歩いていると、まるでいつもと違う次元に迷い込んでしまったような雰囲気を感じた。いつもなら脳裡に過ることもないだろうに、なぜだか、この人通りの絶えたシンとした宵闇に“恐い”などといった感情が押し寄せていた。部屋をでる前、やりきれない寂しさの捕らわれ人となっていたせいだろうか？優しくされることも、愛されることも、既に無縁の淵にいるんじゃないか？そもそも、優しくされたことはあったんだろうか？愛されたことはあったんだろうか？ずっと寂しい裸の王様だったんじゃないか？パックリとあいたボクの心の隙間同様、この隙間風のボロ部屋がボクの終の棲家と宿命づけられているのだろうか？誰に見とられることもなく放置され、やがて蛆虫に占領されているボク……。いつもの自販機で煙草を取り出し、いつものコンビニでカップ酒を一瓶買い求めた。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;レジ袋をぶらさげて歩いていた私の右前方に街灯に照らされてできた私の影があり、左後方から歩いている人がいるらしい、もう一つの影を視野におさめていた。背後から伸びる影は、私が右に曲がり左に曲がっても、まるで私に寄り添うようにあった。ただ、少しの足音さえ聞こえてこないのが気にかかった。私の部屋が見えてきたところで、その影のもとを確認しようと思いきり振り返ったけれど「あれ？嘘！」そう一人呟くほどに、暗がりが夜道を占めているばかりだった。「今さっきまで私の左方にもうひとつの影があったじゃないか！……まぁいいや」。けれど、ドアをロックし振り返ると、机に向かっているいつもの私のように、椅子に腰かけている彼がいたんだ。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;勿論ボクはドアに身を委ねたまま立ち竦んでいたけれど、そこにいた彼は少なくとも角の生えた物騒なイキモノでも、鎌をかついだ黒いマントの者でもなく、見るところまだあどけないふっくらとした頬を覗かせる少年に見えて、心もち安堵させられた。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;彼が喋りはじめた。「あなたの背中のランプの色が気になったんです。」ん？何だって？「人にはヘッドライトとバックライトがあるんですよ。」ヘッドとバックのランプだって？「見えてないんですよね、でもヘッドライトは先行きを照らし、道を選択しているんです。バックライトは後から来る人の道標となっているんです。子は親の背中を見て育つと云われますよね、あれ、バックライトの灯りを見てるんですよ。」目に見えない肝心なもののひとつ？心が見てる灯り？「その灯りはどこからでもいつからでも見えているんです。既に亡くなった人からも、これから生まれてくる人からもね。」&lt;/p&gt;&lt;p&gt;「ひとりぽっちの寂しさを解消する方法はあります、あなたのバックライトは弱々しく消えかかっています。でも、ひとりぽっちじゃないってこと、わかりませんか？あなたのバックライトを見てるひとはいっぱいいるんです。あなたに見えていないだけなんです。」そんな気やすめ、何になるっていうんだ！「それが、私があなたに伝えたかったことです。」&lt;/p&gt;&lt;p&gt;「もし、どうしても耐えられなかったら……」そういって、少し悲し気な顔を正面に向けると、懐から短剣を取り出してボクに手渡した。綺麗に装飾の施された短剣にまじまじと見いっていて、次に顔をあげたとき彼はもういなかった。彼は誰だったんだろう？どこかで見かけたようにも思った、その少年。押入れの玩具箱をひっくり返して現れた子ども時代のアルバム、そこにボクである今さっきまでボクの前にいた少年がいた。過去も現在も未来も、常に全てが現在の中に混在してるとでもいうのだろうか？ボクはベッドに横たわり、何事がおこったのだろうかと考える間もなく眠りについた。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;目覚めると、いつもの朝があった。短剣を鞘から抜くと、まるで宝石でつくられたようなキラキラとした刀身が現れた。その美しさに永遠のやすらぎを感じた。けれど、まだあけてはならない玉手箱だったのだろうか？ボクは支配された心のやすらぎから、剣先を左胸にあてがった。そして、そのまま壁に突進した。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;「ボクはボクの心の隙間を埋めただけなんだ。」&lt;/p&gt;&#xA;&#x9;&#x9;&lt;/div&gt;&#xA;&#x9;&#xA;&#x9;&#x9;&lt;div&gt;&#xA;&#x9;&#x9;&#x9;&lt;p&gt;★ Episode 25　さびしい王子&lt;/p&gt;&lt;p&gt;ふいにだって、誰かが訪ねてくるってことはまずない。お喋りで時を過ごしたりなんて、友だちもいない。だから住所録を携帯してたって、いつまでも真っ白で誰かの名前が書かれるってこともない。窓をあけても、昼は真っ白な眩しさが目に沁みるばかりで何も見えない、夜は真っ黒でどんなに目をこらしても何にも見えてこない。それがボクの星。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;クッキリとした昼と夜の星だから、部屋に閉じ籠って、白と黒のキャンバスに黒と白のチョークで妄想の絵を描いて、一日の終わりにカレンダーを捲る、あとは扉をあけた脇にある玩具みたいな小っちゃな井戸から水を汲むくらい、それがボクの毎日になっている。隣の星も見えない広がりだけがあるらしい空間に、ぽっかりと浮かぶ小さな星に住んでるんだから、そんなのあたりまえなことなんだ。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;どこかの星が爆発でもしたんだろうか、或る日、バラバラと激しい衝突音が聞こえたと思ったら、石ころに混ざって一個の球根がボクの部屋に転がり込んで来た。ぶつかった石でできた窪みを見つけると、ちょうどいいみたいにそこに鎮座して、「マイネームイズ“トゲ”、随分長い距離をぶっとばされたのよ、喉が渇いてるってくらい分かるでしょッ、何か飲ませてくれてもいいんじゃない」と。その日からまるで主のようにボクに命令するようになり、ボクは彼女の機嫌を損なわないように、毎日その窪みに水を注がなきゃならなくなった。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;トゲはみるみる蔦を伸ばし天井と壁を支配した。それから、まるでボクを絞め殺す大蛇のようにとぐろを巻いて部屋を占領したため、ボクはベッドに横たわることもできず、ただずっと立ち竦んでいるしかなくなった。トゲが言った「お水ちょうだいよッ」、ボクは応えた「もうドアをあけられないよ」、「それなら…」とトゲが言った、「キミの水をくれない？」。……「ボクの水？」何を言ってるのか分からないまま「いいよ」と応えると、トゲのイバラがチクッと刺さった。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;あくる日も、あくる日も、トゲはあたりまえのようにボクにイバラを刺し込んできた。とうとうボクはボクを感じることもできなくなった。ボク自身が、形を生みださず果てもない、あの昼と夜の虚無の豊穣世界“真っ白で真っ黒”な世界になった。&lt;/p&gt;&#xA;&#x9;&#x9;&lt;/div&gt;&#xA;&#x9;&#xA;&#x9;&#x9;&lt;div&gt;&#xA;&#x9;&#x9;&#x9;&lt;p&gt;★ Episode 24　狙われた獲物たち&lt;/p&gt;&lt;p&gt;美味な獲物たちの住処が、その島であることを把握していたけれど、昼は太陽を宿して輝き、夜は月を宿して煌めき、そのあまりに美しく神々しい湖に浮かんでいたため、踏み入ることを憚らせる畏れが、獲物を求める野獣の心にさえ躊躇いを齎してはいた。獲物たちもまた、守られている神秘に安住し安穏な生活を謳歌してはいた。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;けれど、野獣たちに鋭い牙が生え揃った或る日、牙は畏れをも噛み砕き、湖を大量の土砂で埋め立て始めた。様相は一変した。舞い上がる砂埃で陽射しは遮られ、ヒンヤリとした空気は獲物たちを凍えさせ、身動きさえ滞らせた。やがて野獣たちの進軍の怒声が雷鳴のように獲物たちの頭上に降り注いだ。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;獲物たちは野獣の足もとを逃げ惑った。野獣は、牡とみると指でピンと跳ね飛ばし、より美味な牝だけを指で摘まみ上げ、次々と携えた硝子瓶に放り込んだ。いよいよ、わたしの足はフワリと地上から引き離された、髪の毛を掴まれたのだ。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;獲物で詰まった硝子瓶を逆さにして、バラバラとボゥルに入れなおすと、まずもがき暴れる何体かの膝関節を逆向きにポキリと折り、既に食用獲物と化した諦念に閉じ込めてから、器用に外皮である衣服を剥ぎ取ると、鋭い剣先のようなフォークを突き刺し、ドレッシングにたっぷりと浸し目潰しをされて野獣の口に放り込まれた。唇の端から赤い血の筋を垂らしながらグシャッガリガリといった音を響かせた。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;わたしは、ボゥルにあけられる際、運よく器の縁にからだをぶつけそのままテーブルから転がり落ちていたので、夢中で室内の家具の裏に逃げ隠れじっと身を潜ませた。食べつくしたのだろうか、野獣が椅子から立ち上がる音が聞こえた。わたしにはもう目をあける勇気もなかった、目眩と吐気に襲われながら、気づかれまいと身を縮こませるばかりだった。それでも、一時も早くこの場を離れたい一心で「逃げなくちゃ」と、ゆるゆると腰を上げた時、あのフォークの剣先が腹から飛び出た。臀部から、いきおい突き刺されたのだ。&lt;/p&gt;&#xA;&#x9;&#x9;&lt;/div&gt;&#xA;&#x9;&#xA;&#x9;&#x9;&lt;div&gt;&#xA;&#x9;&#x9;&#x9;&lt;p&gt;★ Episode 23　さいごにみたゆめ&lt;/p&gt;&lt;p&gt;いつものアラームが鳴ってスマホの画面には「good morning」の表示、「起きなくちゃッ」そんな時ふいに誰かの泣いている声が聞こえてハッと目を見ひらいて耳を澄ませたけれど、もう聞こえてはこなかった。そんな声など、そもそも身のまわりでは発生していなかったのかもしれない。それでも聞こえたと思ったあの声は何だったんだろうと考えて、入院中の母の身に起こった異変の知らせではないだろうかと思い始めた。ボクは身支度を整えて、会いに出掛けることにした。&lt;/p&gt;&lt;p&gt; いつもの道を歩き、いつもの改札を抜け、いつものホームで、いつもの広告看板を見ながら、いつもの電車を待った。座席に腰かけアクビを連発しているうちに、ボクは眠ってしまったようだ。目覚めた時、その病室のベッドに覆いかぶさりシーツを握り締めて泣きじゃくる、震える背中の娘を見た。そこに横たわりピクリとも動かなくなった、その人は誰なんだろう。「おかぁさん？」ボクは小さく呟いて顔を覗きこんだ。ボクは勘違いをしてしまっていたようだ。そこに眠っていたのはボクだった。ボクが聞いたと思ったあの泣き声は、ボクの死に嗚咽を漏らす娘の声だった。 &lt;/p&gt;&#xA;&#x9;&#x9;&lt;/div&gt;&#xA;&#x9;&#xA;&#x9;&#x9;&lt;div&gt;&#xA;&#x9;&#x9;&#x9;&lt;p&gt;★ Episode 22　砂虫&lt;/p&gt;&lt;p&gt;寒い日は特にそう、お布団から出るのがいや。時間を確かめると針はとっくにテッペンをまわって午後も2時。カーテンは申し分なく明るいから、昨日のお天気予報通り今日の空は青く澄み渡っているらしい。だらしないんじゃないかって責められてる気分もして、お布団から片脚を投げだしたまま暫く項垂れた。夜が来たから眠るんじゃなくて、朝が来たから起きるんじゃなくて……そんな生活にしなくっちゃって。でもわたし、起きたからって何するの？何すればいい？何ができる？何にもしたくない気だるさもあって、食べて寝て糞してるだけじゃなくってッて。何にもしてなかったのに、ぼんやりと何かを見てるようで何にも見てないまま、あっというまに日が暮れてる。今日は暑いなぁなんて、今日は寒いなぁなんて、雨の日は嫌いよッ晴れてよねッなんて、そんな言葉ばかり、どれだけ飲み込んでるんだろ？&lt;/p&gt;&lt;p&gt; 外からゴォォツと風の音が聞こえてきて、窓をあけて天空を見上げた時その訝しい風景を理解するのにフリーズすることを余儀なくされた。青一色であるべき空の下方が、みるみる泥色に侵食されていたのだ。程なく陽の光りは地上に射すことを許されず、視界を遮る砂塵が冷たい風とともにカーテンを捲し上げて吹き込んで来た。&lt;/p&gt;&lt;p&gt; みるみる手の甲はちいさな砂粒に占領された。ちっちゃな砂粒と見えたものは、モゾモゾと動いていた。血が流れることも痛みもなんにもなかったけれど、指はどんどん食べられはじめていた。やがて砂粒は袖口から衣服の下に入りはじめた。&lt;/p&gt;&#xA;&#x9;&#x9;&lt;/div&gt;&#xA;&#x9;&#xA;&#x9;&#x9;&lt;div&gt;&#xA;&#x9;&#x9;&#x9;&lt;p&gt;★ Episode 21　亀だった金魚&lt;/p&gt;&lt;p&gt;その日、ボクを掬いとってくれたのは優しい目をした綺麗なお姉さんだった。ボクはその人が水槽の前にしゃがみこんだ時から、その人に掬いあげられ易いようにゆっくりと泳いだり、縁に突き出しているナマアシの膝小僧の奥の真っ白なデルタを覗きこんでは立ち止まり、白い指が降りてくるのを待った。ボクには、そのデルタの輝きが、掬われることで叶う救いの光りのように感じていた。&lt;/p&gt;&lt;p&gt; ボクは、もううんざりとしていたんだ。ひとりでゆったりとできる世界を夢みていた。ぶつかりそうになるほどにごったがえした水槽で、選択の余地もなくただゾロゾロと回遊していること、みんなの耳障りな息遣いや噎せ返る体臭の世界に嫌気がさしていた。&lt;/p&gt;&lt;p&gt; “金魚のひるね”そんな童謡があるらしい。赤いべべ着た　かわいい金魚　おめめをさませば　ごちそうするぞ　赤い金魚は　あぶくをひとつ　ひるねうとうと　夢からさめた。“人”たちは知らない。ボクたちがどれほどお喋りで、“赤いべべ”をどれだけひけらかしあい、けなしあいをしているか。&lt;/p&gt;&lt;p&gt; その夜から、ボクはお姉さんの部屋で暮らすようになった。小奇麗な調度品も設置された広いワンルームが与えられた。澄んだ水の透明さは心地いい深呼吸を齎してくれたし、御馳走も欠かさずに振る舞われた。お姉さんの唇は、ボクを食べたがっているように見えるほどドキッとさせられることがあったけれど、「かわいいねぇ～」と毎日微笑みかけてくれた。&lt;/p&gt;&lt;p&gt; けれど、長くは続かなかったんだ。水は濁り始めた。食事の時間は忘れられた。硝子は不透明さを増した。ボクに息苦しい腹ペコの日々がやってきて、泳ぐ気力もなくなり水槽の底を這うように移動するようになった。&lt;/p&gt;&lt;p&gt; ある日、見知らない男性がボクを覗きこみ言い放った。「この亀、いつから飼ってるんだ？」&lt;/p&gt;&lt;p&gt; 「えッ？こいつ誰のこといってるんだ！ボクは“赤いべべ着た金魚”だよ！」&lt;/p&gt;&lt;p&gt; キッチンからお姉さんの声が返ってきた「途中に神社があったでしょ、こないだの夏祭りに夜店で……」。&lt;/p&gt;&#xA;&#x9;&#x9;&lt;/div&gt;&#xA;&#x9;</description><pubDate>Tue, 08 Mar 2016 21:31:43 +0000</pubDate><guid>https://silkyland.amebaownd.com/pages/362786/page_201603090631</guid></item><item><title>profile</title><link>https://silkyland.amebaownd.com/pages/362719/page_201603090304</link><description>&#xA;&#x9;&#x9;&lt;div&gt;&#xA;&#x9;&#x9;&#x9;&lt;img src=&#34;https://static.amebaowndme.com/madrid-frontend/images/app/user/common/preset_covers/cover-1_malia_78.jpg?width=960&#34; width=&#34;100%&#34;&gt;&#xA;&#x9;&#x9;&lt;/div&gt;&#xA;&#x9;&#x9;&#xA;&#xA;&#x9;&#x9;&lt;div&gt;&#xA;&#x9;&#x9;&#x9;&lt;p&gt;不思議の森のカオリノセンス　by Caori&lt;/p&gt;&lt;p&gt;不思議の森に棲む者には、性別はあっても性隔はないだろう。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;現在と過去と未来と異次元は、常に共にあり共に歩むだろう。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;目に見える世界が全ての世界ではないことを弁えている者だ。&lt;/p&gt;&#xA;&#x9;&#x9;&lt;/div&gt;&#xA;&#x9;&#xA;&#x9;&#x9;&lt;div&gt;&#xA;&#x9;&#x9;&#x9;&#xA;&#x9;&#x9;&lt;/div&gt;&#xA;&#x9;</description><pubDate>Tue, 08 Mar 2016 18:07:39 +0000</pubDate><guid>https://silkyland.amebaownd.com/pages/362719/page_201603090304</guid></item><item><title>AmebaOwnd Open</title><link>https://silkyland.amebaownd.com/posts/607292</link><description>&#xA;&#x9;&#x9;&lt;div&gt;&#xA;&#x9;&#x9;&#x9;&lt;p&gt;AmebaOwnd Open 2016.3.8TUE am1:30&lt;br&gt;&lt;/p&gt;&#xA;&#x9;&#x9;&lt;/div&gt;&#xA;&#x9;&#xA;&#x9;&#x9;&lt;div&gt;&#xA;&#x9;&#x9;&#x9;&lt;img src=&#34;https://cdn.amebaowndme.com/madrid-prd/madrid-web/images/sites/127641/9827d1ba7ddffc8699cc1893c2ba0a45_e7e22349c1d9f7fc88c0a688a4ea2f57.jpg?width=960&#34; width=&#34;100%&#34;&gt;&#xA;&#x9;&#x9;&lt;/div&gt;&#xA;&#x9;&#x9;&#xA;</description><pubDate>Mon, 07 Mar 2016 20:34:53 +0000</pubDate><guid>https://silkyland.amebaownd.com/posts/607292</guid><dc:creator>caori</dc:creator><enclosure length="0" type="image/jpeg" 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